投資被害の22歳女性が・・・

投資被害にあった22歳女性が
2020年10月1日に自死というニュース
ご存知でしょうか。

投資被害の22歳女性

女性は2020年8月、大学の同級生とその知り合いだという被告男性2人から、
「ジェンコ」という金融商品への投資勧誘を受けた。

「レバレッジ4倍で3000ドルで始めると10000ドルのパッケージなので月利ボーナスが8%」
「今しかない」
「ポンジやマルチではない」
などといった説明を受けたという。

もう一人の被告男性は「ジェンコ」を扱うジュビリーグループの幹部だった人物で、
他の被告2人に穂野香さんを勧誘させた人物と位置付けられている。
この幹部は、過去に別件で金融商品取引法違反があったとして有罪判決を受け、
別の被告1人も略式起訴され有罪判決を受けた。

母親によると、出資した150万円が損害となってしまったことに、
女性はだいぶ悩んでいた様子だったと振り返る。

「お金を渡したあとの2020年9月頃、家にいても笑わなくなったり、何かあったのかを聞いても『大丈夫』というだけでした。様子はおかしかったのですが、一人で解決しようとしていたようです」

9月中旬ごろに女性から今回の被害について話を聞くことができたが、
ジュビリーエース」「ポンジスキーム」など単語がぽつぽつと出てくるくらいで、
なかなか全容をつかむことが難しかったという。

「勧誘者が友達だから信じてしまったというのが大きかったと思います。
借金についても悩んでいましたが、友達に騙されたことに本人は苦しんでいたと思います」

「よく手紙を書いてくれる子だった」という女性が最後に残した遺書には母親の感謝の気持ちが綴られていた。

150万円の投資被害、母親が勧誘者らを提訴

ジュビリーエース」「ジェンコ」などのマルチ商法を用いた金融商品をめぐり、
被害を受けて自死した女性の母親が2022年11月2日、勧誘者3人に対して、
被害額および慰謝料の計1265万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴したようです。

娘の無念を晴らすことだけを考えてやってきたという母親は、
「生前の娘は、自分以外の被害者が他にもたくさんいると言って、
他の被害者の方のことも心配していた」と話し、投資詐欺のことを社会がもっと知ってほしいと訴えた。

「巧妙な手口の投資詐欺などが横行していますが、まだまだ騙される側が悪いと思っている人がたくさんいるように思います。会社を経営するような中高年の方でも被害に遭っている方がいますが、なかなかその状況を理解するのが難しいのかもしれません。

ですので、一人でも多くの方に、(今回のような投資案件が)悪質な詐欺であることを理解していただければと思います」

杉山弁護士は、詐欺行為と自死との因果関係の証明は難しく、
自死についての慰謝料請求について「私も初めて」と話すが、
今回は女性の遺書があることから「因果関係の立証はできると考えている」とする。

後を絶たない投資被害については、「社会経験の乏しい若い方は安易に信じてしまうかもしれないが、おいしい話は現実的には存在しないので、まず耳を貸さないでほしい」と警鐘を鳴らす。

「勧誘する側も同様です。同じようにだまされているのかもしれませんが、
(不自然に)おいしい話を勧誘して結果的に損害を与えれば、
自分も刑事責任や民事責任を問われることがあるということを、
勧誘する側も知っておいてほしいです」(杉山弁護士)